岡田育 /深澤真紀
「
支配者」としての編集者——vol.3
深澤真紀さんと岡田育さんはともに元編集者。今回はおふたりが持つ「編集者のサガ」について語ります。著者さんの見送り、仕事の段取り、周囲へのアドバイス……一見「気が利く」と思える編集者の仕事は、実は「一種の支配」なのだと深澤さんが分析します。そして、インターネットで発信をつづける岡田さんと、ひたすらウォッチに徹する「ROM専」の深澤さんの違いとは?
ハジの多い編集者たち
深澤真紀(以下、深澤) 最初にもお話しましたけど、私と岡田さんはどちらも「編集者」という仕事に就いていました。
岡田育(以下、岡田) 最近、それを強く感じたことがありましたよ。ご一緒させていただいていたTV番組「とくダネ!」の打ち上げのあと、私と深澤さんだけが某女性タレントさんの帰りを心配してアテンドしたじゃないですか。
深澤 二人して張り切ってアテンドしましたね(笑)。
岡田 通行人から守るようにして先導して「◯◯さん、タクシー乗り場こちらですよ! あとはお一人で大丈夫ですか?」みたいな感じで。それを見て他の出演者たちはぽかんとしていた(笑)。事務所のスタッフじゃないんだから、する必要ないんですけど、こういうのって編集者の性だと思いませんか?
深澤 「著者」的な存在に対してついつい世話をやいちゃうのは、一種の“編集者プレイ”ですね(笑)。ただ私の場合は「編集者」だったからそうなったんじゃなくて、そもそもそういうめんどくさい性格に理由をつけるために、編集者になったんだと思う。
岡田 えっ、性格ですか。生まれ持ったもの?
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この連載について
岡田育 /深澤真紀
「草食男子」「肉食女子」という言葉を生み出したコラムニスト・深澤真紀さんと、cakesの「ハジの多い腐女子会」や「ハジの多い人生」でもおなじみ、編集者・文筆家の岡田育さん。共通点が多いのに、じっくり話したことがないというおふたりが、「...もっと読む
著者プロフィール
コラムニスト、企画会社タクト・プランニング代表取締役社長、淑徳大学人文学部客員教授。1967年、東京生まれ。早稲田大学卒業後、いくつかの会社で編集者をつとめ、会社を設立。「草食男子」を名付けて2009年流行語大賞トップテンを受賞。主な著書に、『草食男子世代――平成男子図鑑』(光文社知恵の森文庫)、『女はオキテでできている――平成女図鑑』、『結婚問題』(共に春秋社)、『「そこそこ ほどほど」の生き方』、『考えすぎない生き方』(共に中経の文庫)、『働くオンナの処世術――輝かない、がんばらない、話を聞かない』(日経WOMAN選書)、『ニュースの裏を読む技術――「もっともらしいこと」ほど疑いなさい 』(PHPビジネス新書)、『ダメをみがく』(津村記久子との対談集、紀伊国屋書店)、『女オンチ。 女なのに女の掟がわからない』 (祥伝社黄金文庫)などがある。
Twitter:@fukasawamaki