面接試験での返答はなぜズレてしまうのか
出口汪(以下、出口) 今は就職難で、大学を卒業しても就職が決まらなくて留年する学生もたくさんいて、大変な時代だよね。そんな中、ゆいちゃんは就職試験を突破したんだから立派だね。
ゆい ありがとうございます! 先生に褒めてもらえると嬉しいですけど、「就活」はかなり大変でした。書類選考で落とされちゃったところもあるし、筆記試験までは合格しても面接で落ちたり。友達にも、成績は良いのに面接で落とされちゃって、なかなか就職が決まらなくて悩んでいるコがいました。
出口 私もこれまでに、成績は優秀で、筆記試験は文句なしに通るのに、面接でバタバタと落ちる学生を何人も知っているよ。それが続いて、「自分という人間が否定されたような気がして、落ち込んでしまいます」なんて言って、悩んでいた学生もいたな。
ゆい 「私のどこがいけないんだろう」って悩んじゃったりするんですよ……。私も面接で落ちたことありましたけど、筆記試験で落ちるよりショックですよね。
出口 ゆいちゃんは会社の面接試験って、どんな場だと思っていた?
ゆい やっぱり面接官に、自分がどんな人間かを知ってもらったり、自分が仕事に対してどう考えているかをわかってもらったりするのが面接なんじゃないんですか? 私だけじゃなくてみんなそう考えていたんじゃないかな。
出口 じゃあ、ゆいちゃんはどこの面接試験でも、「私はこんな人間です」「こういう仕事がしたいです」っていうような話をしたのかな?
ゆい だいたいそうですね。でも、そうじゃない会社もあったかな。今の会社の面接は、面接官から趣味や友達のことをいろいろ聞かれて、雑談みたいな感じになって、すごくリラックスして話ができました。終わってから、「こんなので良かったのかな?」って思ったくらいです。だから、内定をもらったときにはビックリしちゃいました。
出口 きっと、雑談のような面接が良かったんだね。面接官は、雑談に入ったときにはもうゆいちゃんに内定を出すことを決めていたのかもしれない。その後の質問や会話は、確認のような感じだったんじゃないかな。
ゆい えっ、どういうことですか? 自分のことを話していないのに、面接官は私のことがわかったんですか?