Jセンターの管理事務所のドアを開けると、僕は Leasing Department というプレートのついた部屋へと通された。机が島になっており、さらにその奥に小さな部屋がある。どうやらそこは、この部署のマネージャの部屋のようだった。
そこには、シスビーと名乗る30代の女性が僕の到着を待っていた。彼女とはすでに何度かメールをやりとしていたが、実際に会うのは初めてだった。勝気な顔つきで、体格もかなり良かった。スーツ姿が板についていて、何ともいえない迫力がある。僕は席に着くと、図面を机の上に広げた。
緑の部分が僕らに提示されたスペースだった。面積は336.7平米(およそ100坪)とまずまずだが、こんな変な形ではどうしょうもない。まともに使えるような教室を作れるとは、到底思えなかった。
「こいつ、俺を舐めている。」
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