山内宏泰
PARCOをつくった「芸術家」——「堤清二/辻井喬 ふたつの目 オマージュ展vol.2」
まだまだ容赦ない暑さが続いていますね。こんな日は沢山の緑に囲まれた避暑地での展覧会巡りはいかがでしょうか。現在、軽井沢のセゾン現代美術館では「堤清二/辻井喬 ふたつの目 オマージュ展vol.2」が開催中です。堤清二さんと言えば、西武百貨店、パルコ、ファミリーマート、無印良品など多くの企業を育てた革命的経営者ですが、さらには詩人・小説家「辻井喬」としても大成された方です。かつて堤清二が深く関わってきた数々のブランドと、現代アートのコラボレーションをお楽しみください。
夏のバカンスに行くなら「海派」でしょうか、それとも「山派」でしょうか。もしも山派であるとおっしゃるのでしたら、やはり軽井沢は目的地として最有力候補と申せましょう。とりわけぜひ訪れたいのは、中軽井沢駅からしばらく車で走った林のなかに佇む、セゾン現代美術館です。
門を潜ると林が広がり、奥へ奥へと遊歩道がわたくしたちを誘ってくれます。歩道の右手や左手には、順にオブジェが見え隠れしていきますよ。安田侃やイサム・ノグチといった彫刻家による作品です。自然の緑と、人の手によってつくり出された物質が調和して、なんとも眼に優しい景観がそこに立ち現われておりますよ。
庭園をひと巡りして眼がきれいに洗われたなら、奥のほうにある建物へ足を運びましょう。メタボリズムという、かつて隆盛を誇った流儀の大家として知られる菊竹清訓設計の建築が、美術館の本体をなしています。このなかで現在開かれているのは、「堤清二/辻井喬 ふたつの目 オマージュ展vol.2」です。
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この連載について
山内宏泰
世に“アート・コンシェルジュ”を名乗る人物がいることを、ご存じでしょうか。アートのことはよく知らないけれどアートをもっと楽しんでみたい、という人のために、わかりやすい解説でアートの世界へ誘ってくれる、アート鑑賞のプロフェッショナルです...もっと読む
著者プロフィール
ライター。美術、写真、文芸その他について執筆。著書に『写真のフクシュウ 荒木経惟の言葉』(パイインターナショナル)『写真のフクシュウ 森山大道の言葉』(パイインターナショナル)『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史』(星海社新書)『写真のプロフェッショナル』(パイ インターナショナル)『G12 トーキョートップギャラリー』(東京地図出版)『彼女たち』(ぺりかん社)など。東京・代官山で毎月第一金曜日、写真について語るイベント「写真を読む夜」を開催中。東京・原宿のスペースvacantを中心に、日本写真を捉え直す「provoke project」開催中。
公式サイト:http://yamauchihiroyasu.jp/