あとのことは知らんよ『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』『ターミネーター:新起動/ジェニシス』に続き、作家・江波光則さんによる映画レビュー第3弾『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』をお届けします。※ネタバレもしていますのでご注意ください。



■自分は何にもわかってなかった。

『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』。

 これ、凄い。 正直に言いますと全然期待してなかっただけに揺り返しが凄い。物凄く良いです。良かったです。いつものトム・クルーズやらエイブラムスやらの面子で「すげー金かかってて派手だけどまあそんなもんだろ。カップルが無難なデートコースとしてでも見ておきゃええんや」程度の、適度に面白い優等生映画だろ、ぐらいに思ってました。

 全然違う。全然、自分は何にもわかってなかった。めちゃくちゃ面白い。

 スパイものというのは陽気にやるか陰鬱にやるかで結構変わってくるジャンルなのですが、ミッションインポッシブルのシリーズって割とお笑い系に振ってるコメディアクションなとこあったんですが、そして今回も基本そうなんですが、とにかく出来がいい。しかも笑いの質とかウィットとかそういうのではなく、純粋に内容が面白い。

 最初こそ、飛び立つ飛行機に素手でしがみつくイーサン・ハントとかボギー・ザ・グレイトかよって思ってたし、最初の拘束シーンで都合良く柱が天井まで届いてないのとか苦笑いして見てたんですが(ここの脱出シーンでトム・クルーズが力ずくを選んだ辺りからちょっと視聴する顔が真剣になってきた)、そこからはなんとスパイ映画の王道、裏切りと陰謀の多重攻撃。裏切りのサーカス並のミステリ感を匂わせつつ、アクションと軽快なジョークを交え陰鬱さを消していく。

 IMFが解体、孤立無援、というシチュエーションはこの手の映画に限らずよくある逆境なのですが、イーサン・ハントは無敵なので半年逃げおおせる。無意味に髭を伸ばして。髭ぐらい剃っていいんですが。その後、すぐ剃ってるし。

江波光則氏

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江波光則映画レビュー

江波光則

6月下旬に終末SF『我もまたアルカディアにあり』を刊行した江波光則氏。 もともと映画がお好きな江波氏に、「終末」つながりで「マッドマックス 怒りのデス・ロード」を見た感想をまとめていただきました。

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コメント

283vawa いや、ほんと楽しかった。 5年以上前 replyretweetfavorite

nekomaru0v0 トム様はやっぱりすごいんだなぁ。 5年以上前 replyretweetfavorite

Hayakawashobo トムやん、ごめんな。俺なにもわかってなかった。| 『我もまたアルカディアにあり』著者による映画レビューを更新です。 5年以上前 replyretweetfavorite