家族は「腐女子」とどう向き合うべきなのか?
毎回楽しく読ませていただいております。タナカと申します。娘が「腐女子」です。小学校の高学年から『聖闘士星矢』を買い集めだし、中学生になると「BL好き」を公言しコミケに通うようになりました。遅くとも高校1年のころには自分で描いた同人誌をコミケやオンリーで販売するようになり、社会人になった今も続けています。最近は顔をあわすことも滅多にないものの、たまに近況をたずねると、この趣味だけが心の支えで暮らしているとのこと。この連載で皆さんの話を読んで、娘の心情をおもんばかっています。
ベテラン腐女子会vol.2で「腐女子」になった要因として手塚治虫のマンガが挙げられておりましたが、それを読んで愕然としました。わが家でも、もの心ついた頃から私の好みのマンガを与えていました。萩尾望都の『ポーの一族』や 『トーマの心臓』の影響はうすうす感じてましたが、『奇子』や『きりひと讃歌』も関係があったとは。つげ義春や白土三平はどうなのか……まさかの父親の責任を痛感しております。
高校1年のころ部活と腐女子活動にのめりこんでいた娘は、将来マンガ家になりたいと言い出しました。「保険をかけるつもりで、手に職をつけておいたほうがいい」とアドバイスしたところ「わかった」という返事。医学部に入学して、昨年から都内の病院で働いております。仕事は楽ではなさそうですが、オタク活動も継続しており、親からすれば充実した毎日を送っているはずと思いたいのですが、どうも元気がありません。
以前は、誰に対してもオタク趣味を隠すこともしない、あっけらかんとした天然タイプだったのですが、暗いのです。「患者さんから先生の趣味はなに?とか聞かれても、BLなんて答えるなよ」と冗談のつもりで言っても、「ふん」とそっぽを向かれます。せっかく医師になったのなら、このさい医療マンガを描いたら?と言ったら、「絶対いや」とのこと。妄想の世界だけが生きる支えなのに、現実の仕事を趣味に持ち込むなんてありえない、というのです。
マンガを与えて「腐女子」にしたのは私であり、マンガ家になりたいというまっすぐな気持ちをねじ曲げて他の道を選ばせたのも私だと思うと、考え込まざるを得ません。「腐女子」は仕事や同僚、家族とどのようにして折り合いをつけているのか、可能でしたら今後の連載で、そういったことを聞かせていただけませんでしょうか。長文ならびに個人的なお願いをして申し訳ありません。今後も連載を楽しみにしております。
ユメ美からの回答
ユメ美(喪女・ビッチ腐女子会出演)
23歳/腐女子歴7年/web系
喪女・婚活ネタツイートのキレのよさゆえに、Twitterのフォロワーが3000人超いる。腐女子であるだけではなく、キャラと自分自身の関係を妄想する「夢」属性も持つため、最近は『ダイヤのA』の倉持洋一が彼氏という設定で暮らしている。
23歳社会人のユメ美です。私もつい最近ハマったのですが、聖闘士星矢めちゃくちゃ面白いですね! 娘さんが何座と何座を掛け算してるのがとても気になるところですね!!!!
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