27巻で終わりだろ」と言われても、彼らの戦いはつづいていく—vol.3

個性的なキャラがこれでもかと出てくる『弱虫ペダル』の世界。原作はすでに2年目のインターハイをむかえ、さらに多彩なキャラたちが活躍しています。綿密にキャラづくりをしているのかと思いきや、なんと原作者の渡辺航さんいわく「描いてみないとどんなやつかわからない」そうで……!? あのキャラの誕生秘話、渡辺さんの仕事論も明かされます。いよいよ明日公開、『劇場版 弱虫ペダル』上映記念インタビュー最終回です。

新開ははじめ「便所掃除キャラ」だった!?

— 『弱虫ペダル』の魅力は、個性的なキャラクター造形にもあります。そうしたキャラはどのように生み出しているんでしょうか?

渡辺航(以下、渡辺) 実は僕にも描いてみるまでわからないんです。ネームの1コマ目からいきなり描いてみて、そのキャラクターがどういう反応をするかがわかる。「このキャラクターととこのキャラクターは、この距離だったら叫ぶように話しているな」とか、「このキャラクターがびっくりしてれば、このキャラクターはこういう反応をしているだろう」とか。いわば絵の対話ですね。

— プロットのようなものや、キャラ設定表などを作っていく作り方ではない?

渡辺 話数ごとに打ち合わせはきちっとしてあって、「今回は、こういう展開で、このキャラクターがこういうかっこいい台詞を言います」と編集さんと決めはします。でもそれを描く段階になって、キャラクターを並べて走らせて絵にしてみると、会話ややり取りが打ち合わせにはない展開に変わっていく。その中からキャラクターがぽろっとしゃべることでキャラクターの個性が決まる、という感じです。

— じゃあキャラが登場した段階では、まだ漫画に描いてあることしか渡辺さんの中でも決まっていなくて、描いていくうちにキャラがキャラになる瞬間がある……?

渡辺 そういう作り方をしています。ベースになる部分はもともと作ってあって、たとえば新開隼人の場合、「食べるキャラクター」というのは最初から決まってました。でもしっかり登場するまでは「箱根学園では下支えの努力型キャラクター」という設定として打ち合わせをしていました。でも新開がバーンと出てくる、その瞬間に、「おれは新開 ゼッケン4 箱根学園のエーススプリンターだ」とバキュンポーズをやっちゃった(笑)。

— 全然下支えキャラじゃないですね(笑)。

渡辺 あれには僕も驚きました。ちょっと前まで「便所掃除をしているようなやつ」みたいな話をしていたくらいなんですよ。

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劇場版 弱虫ペダル』インタビュー

渡辺航

累計発行部数1400万部超を記録している大人気漫画『弱虫ペダル』(秋田書店)。初のオリジナル映画『劇場版 弱虫ペダル』の上映を記念して、原作者の渡辺航先生へのインタビューが実現しました。今回の映画の見どころ、「漫画」というメディアの魅...もっと読む

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コメント

partiality_ytm 無料だと最初しか読めないけど、この「新開さんは出てくる前努力家の下支えキャラ設定だったのに出てきた瞬間『箱根学園のエーススプリンターだ(ばーん)』とかバキューンバポーズをやってしまって動き出したら全く違うキャラだった」話ほんとすこ https://t.co/PPwjwLSnvz 1年以上前 replyretweetfavorite

usuba3 葦木場ってキャラは新開さんで本来やりたかった下積みから抜け出してくるキャラなのかなと思ってる 2年弱前 replyretweetfavorite

mizusakazuki  新開さん便所掃除… 3年弱前 replyretweetfavorite

kazukiaoba  新開さんと田所っちのファミレス話すごく見たいです… 3年弱前 replyretweetfavorite