あとのことは知らんよ『ターミネーター:新起動/ジェニシス』

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』に続き、作家・江波光則さんによる映画レビュー第2弾をお届けします。中学校時代に勝手に続篇を考えていたくらいターミネーターが大好きだという江波さん。それゆえちょっと暴走気味です。ネタバレもしていますのでご注意ください。

■ターミネーターの歴史

『ターミネーター:新起動/ジェニシス』を見てきました。公開初日に。

 どうせアレなんだろ、と思って見に行きました。アレなのは分かってるのに見に行ってしまうという僕のような層がいるから制作されるシリーズです。そして当然、アレでした。もう3からずっとアレです。 この問題の大元は何かと言えば、遡ること2になると思っています。

『ターミネーター』という作品は本来一作品で完結している作品だったのに、ヒットしてしまったが故に2を造ってよ、となってしまい、その2が見事な出来映えだった事が、3、そして4、そしてサラコナークロニクルズ、そして今回のジェ二シスと成りはてたと個人的には判断しています。

 ターミネーター2は苦し紛れにセルフパロディという形で制作されたと僕は信仰しているのですが、これがまた巧い。感心するほどに巧く出来ていて、「1」と「2」はきれいに表裏、或いはA面B面という風にがっちり組み合っています。見事な程です。

 これが全ての悲劇を産んだと言っても過言ではないでしょう。キャメロンは流石な物で、この先何をどうしようとキツいと判断しそれ以降メガホンを取っていません。何という罪深さか。

 ターミネーターの続編は全てセルフパロディにしなければならない、みたいな掟というか空気だけ残して去って行きました。これ以降、苦悩の歴史が始まるのです。これというのも未来から来た殺人マシンであるアーノルドさんが、完全にカイル・リースを食ってしまっていたというのも悲劇の一因です。

 カイル・リースがもっと主人公であれば、2は新たなターミネーターT-1000タイプと戦っていれば良かったし、後に続編を造るにしても新たな殺人マシンを考えていればそれで良かったのに、何だ、アーノルドさんやらリンダさんやら「あなたじゃなきゃダメ」みたいな面子を「1」と「2」で確定させ、これに美少年(だった)エドワードさん(やたら太ったけど今も二枚目には変わりない)が加わった日にゃあ、それを放り投げられて続編? どうすんのセクシーターミネーターとか? という迷走を呼ぶしかあり得ないのです(3のこと)。


撮影:江波氏

■どうせ初日に見に行くよ

 どうせ何造ったって僕のような層が公開初日に見に行ってしまうので、それは仕方ないのです。数字は出ちゃうから。に、しても「2」の面子は完璧だったな-。エドワード・ファーロングが凄い好きでしてね僕ァ。リンダ・ハミルトンも好きだし。味方になったアーノルド・シュワルツェネッガーも好きだし。何もかも好き。

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江波光則映画レビュー

江波光則

6月下旬に終末SF『我もまたアルカディアにあり』を刊行した江波光則氏。 もともと映画がお好きな江波氏に、「終末」つながりで「マッドマックス 怒りのデス・ロード」を見た感想をまとめていただきました。

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IizukaKazuma http://t.co/R4Epoi2LuK 4年以上前 replyretweetfavorite