今回ご紹介するのは、
sho_yaさんのコラム「【メモ】すぐできる思考力鍛錬法」。
思考には多大なエネルギーがかかるため、「人は、驚くほど、物を考えたがらない」というsho_yaさん。会議でも授業でも、多くの人はただ話を聞き、理解しようとするだけで、あくまで受け身の姿勢のままだそうです。
では、その受け身の姿勢から抜け出すためにはどうすればよいのでしょうか。今すぐできる「思考力」を鍛える3つの方法をお伝えします。
以下、noteより転載です。
【メモ】すぐできる思考力鍛錬法
■はじめに
「思考力」や「考える力」を身につけるために、今すぐできる、簡単な方法。 当たり前すぎるので、「頭の良い」人は普段から自然に実行していると思います。
ですから、取り留めもないメモです。
■方法
とてもシンプルです。次の3つを常に意識して、実践するだけです。
1.疑う
——論理を検証する。
2.批判する
——論理の問題点を指摘する。
3.改善する
——論理の問題点を修正する(結果的に結論を修正することになることもあります)。
この3つを、会議のときでも、プレゼンのときでも、講義・授業のときでも、読書のときでも意識するだけです。
上司が話している内容は本当か、教授の説明している内容には欠点がないか、筆者が書いている内容は妥当なのか。
アホかと思われるかもしれませんが、この3つを日々、実践するだけで、あなたの思考力は、一般的な方々より格段に向上します。人は、驚くほど、物を考えたがらないのです。なぜなら、思考には多大なエネルギーが必要だからです。
実際、会議でも、プレゼンでも、講義・授業でも、多くの人は、ただ「話を聞いて、理解しようと努めているだけ」です。
もちろん、理解しようとすること自体は、とても大切な知的活動ですが、それだけでは「受け身」の姿勢から脱却できていません。上掲の3つの営為は、理解するだけの姿勢から、あなたを一歩、前に進ませるための作業です。
上掲の3つを実践しているだけで、いつしか、あなたは「頭の良い」人——少なくとも自分の頭で物を考えている人——だと言われるはずです。
■注意点
ただし、この3つの思考力鍛錬法を実践する場合、注意すべきポイントが3つあります。
1.対象は、人格ではなく意見(論理)。
疑ったり、批判したり、改善したりする対象は、相手の人格ではなく、あくまで意見(論理)です。
(1)論拠は何か、(2)その論拠は信頼できるものか、(3)その論拠から結論にたどりつく過程に飛躍はないか、(4)その論拠から別の結論にたどりつく余地はないか、(5)複数のテーマが混在していないか、より小さいテーマに分けられないか、(6)その論理のアプローチ自体、正しいものか、別のアプローチがあるのではないか……など、そういったことを考察する作業が、「疑い」・「批判」・「改善」です。論者の人格は無関係です。
人格批判は全く生産性がありませんし、人格を批判したところで思考力は全く向上しませんから、注意してください。
もちろん、洋の東西を問わず、意見に対する批判と人格に対する批判をはっきりと区別することは難しいものです。これは、批判を受ける側になれば尚更で、自分の意見が批判されているに過ぎないにもかかわらず、自分自身が批判されたと誤解しがちです。
ですから、批判する側は、自分の批判が相手の人格に及んでいないか、相手に対する悪感情が自分の批判に影響を及ぼしていないか、注意すべきです。
2.物には言い方がある
たとえ、論理に対する批判であったとしても、それを口にするときには注意が必要です。そもそも、上掲の3つは思考力を鍛錬するという対内的な方法論であって、外部に何かを表明することを目的にしたものではありませんが……。
当たり前ですが、物には言い方があります。批判をするときは、意識的に丁寧な表現を使いましょう。
人は論理だけに基づいて生きているわけではありません。人は感情を持った生き物です。
いくら論理的に正しい批判であっても、無礼な表現で批判されれば、相手は怒ります。むしろ、批判が論理的に正しければ正しいほど、不躾な表現に対する相手の怒りは大きくなります。
無用な怒りをかき立てる必要はありません。
3.3つセットを心がけること。
この3つの中で最も生産性がある作業は、当然ながら、改善の部分です。
疑うこと、批判することに生産性はそれほどありません。それどころか、疑うことや批判することは、人間関係を破壊する危険性を常に孕んでいます。
疑うこと、批判することの意義は、あくまで、論理の問題性を浮かび上がらせ、それを改善するための道筋を見出す点にあります。
ですから、ある論理に対して、疑問が生じ、批判できる状態に留まっている場合は、基本的に何も言わない方が良いと思います。
少なくとも、特に批判を求められていないのであれば、疑問点を指摘し、発表者、講義者、筆者らと共に問題を考えるという姿勢の方が良いと思います。
■最後に
今回の記事の内容は、本当に的を射たものでしょうか? 疑って、批判して、改善してみてください。
転載元:sho_ya「【メモ】すぐできる思考力鍛錬法」(2015/07/12)