山内宏泰
作品の動きに心奪われる——「動きのカガク」展
“アート・コンシェルジュ”が、最新の展覧会情報をご案内。今回ご紹介するのは、東京六本木、21_21 DESIGN SIGHTで開催されている「動きのカガク」展です。名前の通り、作品は動きがあるものばかりで、ミュージアム=静的という印象を覆す魅力的な展覧会になっているようです。10組を越える作家の作品による驚きと発見、さらには美しさが詰まった作品の魅力を、楽しんでみてはいかがでしょうか。

クワクボリョウタ《ロスト#13》
人は日ごろ、どんなものについ見入ったり、美しいと感じたりするものでしょうか。まずは色やかたちに惹かれるというのは、もちろんそのとおり。それからもうひとつ、動きというものもありますね。
ネコがネコじゃらしに飛びついたり、イヌが放り投げられたボールを一目散に追いかけたりするのは、ひとえにモノが動く様子に心を奪われてしまうからですよね。動きに激しく感応し、幻惑されてしまうのは、人間だって同じです。
「動き」とは驚きと発見、さらには美しさの宝庫。そうはっきり教えてくれる展示が開催中です。東京六本木、21_21 DESIGN SIGHTでの「動きのカガク」展。会場に足を踏み入れると、なんだかずいぶんにぎやかな感じ。ミュージアムは静的なイメージが強い場ですが、今展の場合はなにしろ、すべての作品が動きとかかわっていますからね。必然的に印象は変わってきます。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。
10210
false
この連載について
山内宏泰
世に“アート・コンシェルジュ”を名乗る人物がいることを、ご存じでしょうか。アートのことはよく知らないけれどアートをもっと楽しんでみたい、という人のために、わかりやすい解説でアートの世界へ誘ってくれる、アート鑑賞のプロフェッショナルです...もっと読む
著者プロフィール
ライター。美術、写真、文芸その他について執筆。著書に『写真のフクシュウ 荒木経惟の言葉』(パイインターナショナル)『写真のフクシュウ 森山大道の言葉』(パイインターナショナル)『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史』(星海社新書)『写真のプロフェッショナル』(パイ インターナショナル)『G12 トーキョートップギャラリー』(東京地図出版)『彼女たち』(ぺりかん社)など。東京・代官山で毎月第一金曜日、写真について語るイベント「写真を読む夜」を開催中。東京・原宿のスペースvacantを中心に、日本写真を捉え直す「provoke project」開催中。
公式サイト:http://yamauchihiroyasu.jp/