第7回 おもしろさとは「意表を突かれること」である

プレゼンの「謎」に好奇心を抱いた聞き手に、最後まで話をきいてもらうために必要なのが、おもしろさ。おもしろさを生み出すには意表を突く仕掛けが必要です。『エンゼルバンク』や『ドラゴン桜』で意表を突くうえで、三田さんはどこに頭を悩ませたのでしょうか。クライアントの意表を突き、プレゼンの世界に引き込む立役者は「リアリティ」でした。(2月21日刊行『プレゼンの極意はマンガに学べ!』(講談社)より先行公開)

 そもそも人は、どんなときに「おもしろい!」と思うのだろうか?
 先ほど僕は、人は「謎」を突きつけられたとき、好奇心を掻きたてられると述べた。
 それにならっていうなら、人がなにかを「おもしろい!」と思うとき、そこに存在しているのは意表を突く仕掛けである。

 驚きのない物語、予定調和のまま展開していく物語など、なにひとつおもしろくない。意外な展開、衝撃的なセリフ、予想もしなかった結末があってこそ、読者は感情の振り子を揺さぶられ、おもしろいと感じる。
 おもしろさの原点にあるのは、意表を突かれた衝撃なのだ。

 たとえば、僕の『エンゼルバンク』という作品は、転職や起業に関する情報がたっぷり詰め込まれたマンガだ。連載にあたっては、業界トップの転職エージェントをはじめ、数多くのベンチャー経営者に取材を重ねてきた。中途半端なビジネス書よりもずっと具体的で役立つ情報が盛り込まれている。
 しかし、どんなに有益な情報であれ、それを羅列するだけでは読者は振り向いてくれない。しっかりとした物語に乗せて、1話ごとに意表を突く仕掛けを用意してこそ、読者はおもしろいと思ってくれるのだ。


『エンゼルバンク』より(©三田紀房/講談社)

 マンガやプレゼンのおもしろさは、ひとえに「意表の演出」にかかっているといっても過言ではない。
 とんでもない極論・暴論をぶちかますのもいい。あるいは平凡な意見や提案であっても、文脈を変えることでいくらでも意表を突くことはできる。
 実際、ビジネスシーンにおけるプレゼンでは、そうそう簡単に極論・暴論をかますことはできないだろう。ポイントは「現実的なプランを、いかにして意表を突いた文脈に載せて語るか」である。まずはそのあたりから説明していこう。

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プレゼンの極意はマンガに学べ!

三田紀房

人の心を操り、自由自在に動かす最強のプレゼンノウハウは「マンガ」にありました。超人気作品を次々と送り出し、cakesでも『会社に左右されない仕事術』を連載中の漫画家・三田紀房さん。三田さんが、マンガ制作の舞台裏を明かしながら伝授する最...もっと読む

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