きっかけは「振付をしたい」という思い
私は、友だちがみんな美人です。
これだけ綺麗どころが揃っていると、大抵の男友だちは浮き足立ちます。しかし、そういった感情は時として友情の妨げになることがあります。
なぜなら、彼女たちの興味はいつだって歌って踊る一生懸命な女の子たちだからです。
友情にいちいち恋愛を持ち込まない、安全な男友だちだけを紹介しようと選びに選んだら、竹内サティフォと斉藤伸也という2人が残りました。彼らは奇しくも、ONIGAWARAというJ-POPユニットです。
左から、斉藤伸也、竹内サティフォ。あぁ、見るからに安全そう。
彼らとの出会いは2007年の秋頃だったと思います。
当時の2人は竹内電気というバンドに所属しており、友だちのカメラマンがアーティスト写真を担当していた縁から、たった一枚だけ出ていたミニアルバムを聴かせてもらいました。
当時の私といえば、体育大の舞踊学を専攻し、音楽は踊るためにあるものだと思っていました。
ただじっと音楽鑑賞だけするなんて考えられなかった。でも、竹内電気は聴けました。
初めてCDだけで何度も何度も曲を聴きました。なんでこの人たちはここまで恋愛にウジウジしてんのに、こんなにキラキラした音が出せるんだろうと夢中になりました。
程なくしてライブを観に行くことになりましたが、ここで予想外の展開が……。
楽曲は間違いなく良いんだけど、5人のキャラクターが濃すぎる。
当時からくるりやアジカンなど眼鏡ボーカルのバンドは人気があったけど、ここは過半数がめがねだし、よく見ると全員違う種類のブスだし、よく見なくてもブスではあるし、唯一ビジュアル担当っぽい加藤くんはBerryz工房ヲタだし、なにこれ。でもやっぱり曲は良い。ライブで観るとさらに良い、なにこれ。
私は音楽だけを聴いていることができない、というのは8年経った今でも変わっていません。興味のない音楽を流すくらいなら無音が良いし、興味のある音楽なら振りを付けたくなる。
その理屈で言うと、あの頃から私は竹内電気に振付がしたかったんだと思います。
当時の私は振付師にはなりたかったけど、どのダンスジャンルでなのかまでは定まっていませんでした。
だけど、竹内電気みたいな曲に振りを付けられたらどんなに良いだろうと、そんな仕事ってどこにあるんだろうといつも考えていました。
それからしばらくして、竹内電気は斉藤くんの脱退などを経て、2013年の5月に解散します。
その時、私はアイドルの振付師になって4年目を迎えていました。
「やっぱり、俺のやりたいことは大体斉藤が一緒だと良いなぁと思って」
解散ライブから間もない頃、サティフォがふと、そう呟きました。
普段私たち(というか主に私)にとってはおちょくる対象でしかない彼ですが、こういう勘は正しいひとです。
あんたが言うならきっとそうなのだろうと信じていました。
おちょくり御免。
そうして斉藤くんとサティフォが元々2011年に組んでいたユニットを、本格的に始動させたのがONIGAWARAです。
気付けば彼らは演奏したりしなかったり、歌ったり踊ったりラップしたりと、既存の形態に捉われないJ-POPユニットとして活躍しかけています。
最近ではアイドルとの対バンも増え、非常に“なでks得”です。6月26日には大阪・梅田にて、なでksジャパン全員が推しているアイドルことlyrical schoolと、福井県の三人組ご当地アイドルせのしすたぁとのスリーマンライブを行うということで私たちは遠征を決めました。
その道中篇は前回なでksジャパン四女の日笠さんが丁寧に書いてくれました、こちらです。
ふむふむ。
まだ彼らに全然テンションが上がっていませんね。
開演間近。ここから三十路のオジさんたちにどうアイドル性が開花するのでしょうか。
LIVE本番! オジさんがアイドルに!?
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