ダイエットの目的は減量だけではない

ダイエット本来の目的は、もちろん「やせてスリムになる」ことにありますが、それ以外にダイエットを続けて嬉しくなることは何でしょうか。また、ダイエットの達成感をより得られる「行動のセルフモニタリング」を解説します。
「みんなの健康づくり」のプロ、予防医学研究者である石川善樹さんが、最新の生理学、脳科学、疫学研究、心理学、行動科学などを駆使して、ダイエットに成功するために、必要なことを解き明かします。もう絶対リバウンドしない、その名も『最後のダイエット』ぜひお試しください。

習慣化のカギは「それ以外の喜び」

 そして、もうひとつポイントがあります。ひとが物事を続けるようになる時というのは、やろうとしていることから「それ以外の喜び」が生まれた時なのです。

 たとえば、歯磨きの本来の目的は、歯をきれいにすることです。

 でも、子供の頃に、歯磨きを親に教わると、磨いたあとに「褒められる」という体験があったりします。これが、本来の目的の「歯がきれいになる」ということ以外の喜びの部分です。また、大人になってからも、「口の中がすっきりする」「目が覚める」などの、別の形の喜びを得ています。だから、歯磨きは習慣化されて意識しなくても続けられるのです。

 ダイエットのために食事の節制や運動が続くようになったひとというのも同じで、やってみたらそれ自体が楽しくなっている場合が多いです。

 たとえば、カロリー制限のため夜のお酒を控えるとします。お酒を控えれば睡眠の質があがり、翌日の体調が良くなり、仕事の効率もあがります。そうなると、お酒を控えること自体が心地よくなってくるのです。

 最初は「ダイエットのためのカロリー制限」という目的でも、続けているうちに、「生活が快適になる」という喜びがあります。

 新しい行動を始めた時は、本来の目的を意識するのはもちろんですが、それ以外の楽しさを見つけられると続けやすくなるのです。

ダイエットの目的は、やせることだけではない?

 ダイエットの本来の目的は、「体重が減ること」です。では、ダイエットを続けるための「それ以外の喜び」はなんでしょうか。

 やせてスリムになれば、これはなによりうれしいですよね。毎日体重を測るのも効果があるとよく言われます。しかし、ダイエットは最低でも一ヶ月以上の長期戦。確かな結果が出て、続けるための喜びにするのは難しそうです。

 ダイエットを続ける本来の目的以外の喜びとして、やろうと決めた毎日の行動が「できた」か「できなかった」かを記録することにしてしまうのがおすすめです。

 夏休みのラジオ体操を思い出してください。早起きをして、スタンプカードを押してもらったと思いますが、あれと同じ原理です。

 身近なものでこの仕組みを活かしているのが、スーパーやコンビニのポイントカードです。

 会計のたびにこれに記録しているという行為自体が、ポイントがたまって割引になることよりも、じつは続ける意欲につながっているのです。

 このようにやったことを記録することを、「行動のセルフモニタリング」と呼びます。ダイエットのためのセルフモニタリングは、ペンがあれば下のようなチェックシートを用意して、いつでも始められます。

 食事制限やスロースクワットなど毎日することについて左ページのようなシートを印刷して壁に張りましょう。「行動のセルフモニタリング」をまずは1週間やってみてください。

 1週間続けた頃には、「欠かさずチェックしたい」という気持ちが働き、せっかくだから次の週もやってみようという気持ちになると思います。

 ちなみに、スマートフォンやパソコンで、記録をするのでも構いません。ただ、紙にペンでチェックを入れるアナログな方法のほうが、達成感というか、心理的な喜びの実感が大きいようです。

 私自身も紙とパソコンの両方で「行動のセルフモニタリング」をしてみて、やはり紙にチェックを入れたほうが効果的だと感じました。

失敗しても「意志の弱さ」のせいにしない

 ダイエットを始めてみて、すぐにうまくいく場合はいいのですが、むしろ当初の予定通りにならないことのほうが普通です。仕事が忙しくなってペースが乱れたり、飲み会が続いたり、やると決めたことができなくなることがあります。そんなときは、自分を責めるのではなく、やり方を変えることを検討してください。

 たとえば、炭水化物を減らすときも、1食で一度に減らすのと3食から均等に減らすので、どちらがやりやすいかは人によります。負担を感じるようなときは、無理をせずに別の方法を試してみてください。

 また先ほど、行動を記録しようと書きましたが、行動記録には達成感を得るという側面以外にも、うまくできなかったときに記録を見ながら対策を立てるのに役立つという面もあるのです。

 たとえば、前述のとおり、私は最寄り駅から遠回りして帰るようにしていました。しかし、それができなかった日を振り返ると、それは決まって、駅についたときにお腹がすいていたときでした。われながらわかりやすく意志が弱いなと笑ってしまったのですが、これも記録をしているからわかったことです。

 そこで、駅についたときにお腹がすいているときには、駅の近くにあるコンビニでおにぎりを1個買って食べるという対策を考えました。こうやって続けるための「作戦」は随時変更していくのがいいのです。


次回へつづく


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『最後のダイエット』

第1章 なぜダイエットはこんなに難しいのか?
第2章 ハーバード式・究極のダイエット理論
第3章 モチベーションゼロで成功率100%のコツを学ぶ
第4章 ダイエットについてのQ&A

この連載について

初回を読む
最後のダイエット

石川善樹

最新の生理学、脳科学、疫学研究、心理学、行動科学などを駆使して、「みんなの健康づくり」のプロ、予防医学研究者である石川善樹さんが人類史上最大の難問であるダイエットに解き明かしました! もう絶対リバウンドしない、その名も「最後のダイエッ...もっと読む

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