色彩家」が織りなす日本の美—生誕130年記念 前田青邨と日本美術院

日本美術院を活躍の中心とし、大正から昭和にかけての近代日本画壇を牽引した画家・前田青邨。今年はその生誕130年にあたります。東京にある山種美術館では今生誕130年を記念し、「前田青邨と日本美術院 -大観・古径・御舟―」が開催されています。青邨の豊かな色彩感覚と確かな筆技が織りなす作品に触れてみてはいかがでしょうか?

日本の明治期とは、あらゆる分野で改革が推し進められた時代。もちろん美術の世界だって例外ではありませんでしたよ。その大きな流れのひとつに、日本美術院の活動が挙げられます。岡倉天心を思想的なバックボーンとして、橋下雅邦や横山大観ら気鋭の画家が集い、新しき日本画を目指して切磋琢磨したのですね。

創設メンバーに次ぐ第二世代として中心的な役割を担い、日本美術院での活動を主軸に置きながら長年画業に取り組んだのが、前田青邨でした。彼の作品の特長は、突き抜けた明るさや伸びやかさを有しているところ。とかく深刻で重々しい雰囲気になりがちな日本画の世界にあって、その朗らかさは大きな救いといえましょう。

同世代の画家・安田靫彦をして、「色彩家」「達筆」「人を愉快にさせる」と称された青邨の作品を多数観られる展示が始まっております。東京・山種美術館での「生誕130年記念 前田青邨と日本美術院 -大観・古径・御舟―」です。


前田青邨 《大物浦》

多くの日本画を所蔵する山種美術館には、青邨の作品も13点あります。そのすべてを今展では公開しているのです。大画面に海上の図が展開されているのは《大物浦》。源平が合戦を繰り返していた時代、源義経を乗せた船が出航したものの、暴風雨に遭って大波に揉まれている。いわゆる歴史画ですね。

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アート・コンシェルジュからの便り

山内宏泰

世に“アート・コンシェルジュ”を名乗る人物がいることを、ご存じでしょうか。アートのことはよく知らないけれどアートをもっと楽しんでみたい、という人のために、わかりやすい解説でアートの世界へ誘ってくれる、アート鑑賞のプロフェッショナルです...もっと読む

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