広瀬すずに謝らせようとする仕組み

CM、映画、テレビドラマなど、数多くのメディアで引っ張りだこの広瀬すずさん。そんな彼女が、先日出演した番組での発言が大きな騒動となり、Twitterで謝罪をするまでに。失言だ!と騒ぐ人、別に気にしないと冷静に見守る人など、色々な意見が飛び交っていますが、そもそも今の世間、芸能界の仕組みに違和感があると武田砂鉄さんは分析します。

坊主にして地方に飛ばしたくなる仕組み

男性アイドルと温泉宿で抱き合う写真が流出したにもかかわらず、その件についての言及を控える女性アイドルに向かって、以前のメンバーの時は坊主にしてきたし 、別のメンバーは地方に飛ばされたというのに、今回はお咎めなしだなんて納得がいかないという論調を見かけるが、私は常識人なので、男性と一緒にいたことが発覚した時点で制裁が下されなければならないとの声が高まる仕組みを作っている側を、坊主にして地方に飛ばしたくなる。

フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』で放送されていた『AKBと日本人 「圏外」の少女たち』を観た。選抜メンバーになれないアイドルの心境を追ったドキュメントだが、制作陣の強い意図を感じるショットに目を奪われた。握手会にやってくるファンとアイドルが握手する手元をズームで撮る。ただただ握手するだけだと思っていたこちらは仰天したのだが、アイドルの手の関節部分を指先で撫でたり、握手した両手を揺らして接触の度合を高めたりしていた。ファンの間では当たり前の行為なのかもしれないが、私は常識人なので、こういう仕組みを作っている側を、坊主にして地方に飛ばしたくなる。

「本当に棒を……声を録るだけでいいの?」

アイドルはかくあるべし、という定義は、アイドルという存在を建設的に引き上げるためには有効だ。その「かくあるべし」にイレギュラーな事態が生じたとき、どこまで社会常識とやらを注いでみるべきかは難しい。未成年での酒やタバコは許されるべきではないが、日頃の言動の隅々まで社会常識を強要されるのは酷な場合もある。

最近、過剰なまでに見かける広瀬すずが『とんねるずのみなさんのおかげでした』の「食わず嫌い王決定戦」で、照明スタッフに対して「どうして生まれてから大人になった時に照明さんになろうと思ったんだろう?」と言い、音声スタッフに対して「本当に棒を……声を録るだけでいいの?」と発言したことに対して、裏方仕事をバカにするなとの批判が殺到した。

VHSのラベル剥がし続けた3年間
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ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜

武田砂鉄

365日四六時中休むことなく流れ続けているテレビ。あまりにも日常に入り込みすぎて、さも当たり前のようになってしったテレビの世界。でも、ふとした瞬間に感じる違和感、「これって本当に当たり前なんだっけ?」。その違和感を問いただすのが今回ス...もっと読む

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コメント

kareigohan42 https://t.co/IZC9QAc7gr 約1年前 replyretweetfavorite

akino_kirin 確かに、音声さんがどうして音声をやろうと思ったのか、私も興味あるけど…。 2年以上前 replyretweetfavorite

harunomusi いつも面白いなぁと思って読んでるけど、今回も流れのうまさと最後の説得力にただただすごいなと笑ってしまう。 約4年前 replyretweetfavorite

kusanagikenta 「今の世相は、(中略)「気分を乱すかもしれない」発言を許さない。」武田さんの徹底したバランス感覚が好き。 |ワダアキ考〜テレビの中のわだかまり〜|武田砂鉄 @takedasatetsu https://t.co/cxm9gbaoqP 約4年前 replyretweetfavorite