世界をめくれ—読書で楽しむ海外旅行

翻訳小説はパクチー?食わず嫌いにすすめたい作品—渡辺由佳里×堺三保対談vol.4

日本の翻訳小説業界に、人気作家を多く抱え、世界18カ国で事業展開しているハーパーコリンズ・パブリッシャーズが上陸! 日本支社による新レーベル〈ハーパーBOOKS〉が創刊となります。これを記念して、創刊タイトル『毒見師イレーナ』にたずさわった翻訳家の渡辺由佳里氏と、脚本家、翻訳家、評論家である堺三保氏が対談。最終回は、海外小説の楽しみ方に迫ります。日本人が抵抗を抱きやすい海外小説ですが、実は読めば「海外旅行」感覚を味わえる?

— 日本では最近『その女アレックス』などがヒットしましたよね。翻訳小説好きとしては、また翻訳小説業界がにぎやかになるといいなと思っているのですが。

その女アレックス (文春文庫)
その女アレックス (文春文庫)

渡辺由佳里(以下、渡辺) 賛成! せっかくフィクション(創作)を読むのだから、徹底的に現実とは異なる世界を味わってみてはどうかしら? というのが、私が海外小説や洋書をお薦めするウリ文句です。ファンタジーも「現実じゃない世界に行ってしまえる」という逃避が魅力ですし。

堺三保(以下、堺) そうそう。翻訳小説のおもしろさというのは、自分の身のまわりではない世界に行けることだと思うんですよ。もともとフィクションというのはそういうもので、遠い外国の地はもちろん、宇宙の彼方だって、過去の世界だって、異次元の彼方にある魔法の世界にだって行けるわけですが、翻訳小説の場合、作者が日本人ではありませんから、外国の人の視点からそれが描かれている。そのために、日本人の読者にとっては、新鮮さが二重になって立ち現れるわけです。

渡辺 そうですよね~。だから私はSFやファンタジー、大好きです。最近はマンガをはじめ日本の文学作品もどんどん海外で読まれるようになっていますが、海外に日本の小説を売り込むにしても、ふだんから海外のものを読んでおく必要ありますよね。

 もっと現実寄りなところでも、たとえば今話題の北欧ミステリーとかもそうですよね。

渡辺 『ドラゴン・タトゥーの女』あたりから流行ってきましたね。

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 北欧ミステリーって、日本だけじゃなくて英米でも「お、ここはどこかオレの知ってる世界と違うところの話だぞ」と思われてウケてるんじゃないでしょうか。

渡辺 北欧ミステリーがアメリカで受けている理由はそこみたいですね。

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コメント

hq_syoten_sama 『毒見師イレーナ』☆ハーパーBOOKS 4 約4年前 replyretweetfavorite

hq_syoten_sama ハーパーBOOKS ☆ 約4年前 replyretweetfavorite

hq_syoten_sama 『毒見師イレーナ』好評です!  約4年前 replyretweetfavorite

yomoyomo 言いがかりなのは承知なので予め謝っておく。すいません。しかし、ワタシにとってパクチーは何度遭遇しても吐き気しかもたらさない純粋に嫌悪の対象なので、 約4年前 replyretweetfavorite