世界をめくれ—読書で楽しむ海外旅行

注目度急上昇中!異次元ファンタジーの引力—渡辺由佳里×堺三保対談vol.3

日本の翻訳小説業界に、人気作家を多く抱え、世界18カ国で事業展開しているハーパーコリンズ・パブリッシャーズが上陸! 日本支社による新レーベル〈ハーパーBOOKS〉が創刊となります。これを記念して、創刊タイトル『毒見師イレーナ』にたずさわった翻訳家の渡辺由佳里氏と、脚本家、翻訳家、評論家である堺三保氏が対談。第3回は海外のファンタジー作品全般に見られる魅力について。異次元の世界観だからこそ、人々を引きつけるその理由とは?

— 今日はおふたりにぜひとも海外ファンタジー全般についても語っていただきたいのですが。ちなみに日本のファンタジーと海外ファンタジーの違いって、どのあたりにあると思われますか?

渡辺由佳里(以下、渡辺) 私は日本語の本をほとんど読まなくなっちゃったんですが、堺さんどうでしょう?

堺三保(以下、堺) もともとは日本の異世界ファンタジーも、『指輪物語』のような英米ファンタジーの影響下で登場してるわけですが、大きな違いと言えば、やはりキリスト教的な宗教観が日本にはないので、善悪二分論みたいなものがないというところでしょうか。

渡辺 そうですね。英語圏のファンタジーやSFにはキリスト教の影響が少なからずあるんです。無宗教の理念を語るものにしても、対立するものとして宗教がある。

 そうそう。

渡辺 そこから解放されている日本は、ある意味自由ですし、別の意味で書けちゃうというところもある。宗教の対立って、世界観としては重要な部分ですからね。

— 『毒見師イレーナ』以外の有名作品で、その特徴が色濃く出ている例はありますか?

 たとえば『ライラの冒険』なんかは、過剰な一神教への反発のあらわれですし、逆に『ナルニア国物語』なんかはまさにキリスト教的な世界観のお話だし。

黄金の羅針盤〈上〉 (ライラの冒険)
黄金の羅針盤〈上〉 (ライラの冒険)

渡辺 そうそう! いまそれを言おうとしていたところ。そして、その『ナルニア国物語』を元にして作られたのが、『The Magicians』。これがすごく怖いファンタジーで、でもすごい世界観なんです。日本で翻訳されているのかな?

 まだ翻訳されていなかったと思いますね。

渡辺 そうですか、まだですか。面白いのに~! まあ、日本では受けないかもしれないなあ(笑)。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

この連載について

初回を読む
世界をめくれ—読書で楽しむ海外旅行

ハーパーコリンズ・ジャパン

『その女アレックス』の大ヒットが記憶に新しい日本の翻訳小説業界に、ダニエル・シルヴァをはじめとする人気作家を多く抱え、世界18カ国で事業展開しているハーパーコリンズ・パブリッシャーズが上陸! 『世界をめくれ』をキャッチコピーに、日本支...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

hq_syoten_sama 『毒見師イレーナ』☆ハーパーBOOKS 3 約4年前 replyretweetfavorite

hq_syoten_sama ハーパーBOOKS ☆ 約4年前 replyretweetfavorite

hq_syoten_sama 『毒見師イレーナ』 約4年前 replyretweetfavorite

Harperbooksjp ナルニアからゲーム・オブ・スローンズ、ダニエル・シルヴァまで。 約4年前 replyretweetfavorite